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LOVEスイーツ★シフォンケーキは横にしないと食べられない!?
森 香織
ごめんね、ババロア

わたしが小学校のこどものころから高校に上がるまでずっと母が作ってくれたババロアは宝物みたいだった。
フリルがついたようなめずらしい(のかな?)エンジェル型に入れて冷やしたそれは、透明のゼリーと真っ白なババロアの二層にわかれていて、まるで宝石のように可愛くて、控えめな甘さと優しいミルク味は他のどんなスイーツよりわたしをときめかせた。彼女がからだ壊してから、もう随分作ってもらってないけれど、思い出の中にしかない分、それはよけい輝いてみえる。

っていういい話ぽい感じだったのに、小学校6年生の時、両思いのおとこのこにお呼ばれしたクリスマス会にそのババロアを持参したがゆえに、ババロアを思い出すときはいつも彼がオプションでついてくる。
クリスマス会には、クラスの男女合わせて6人くらいかな? 仲良しの子が呼ばれて、彼とわたしがお互い好きあっているのは皆知っていて。わたしはうれしいようなはずかしいような、甘酸っぱい緊張を胸に彼の部屋でドキドキしてたんだ。しかもわたしは、お友達の家に行くならと、母にババロアを持たされていて。
思春期まっただ中、自意識過剰で親を避けてる時期に「お母さんの手作りババロア」を持参するなんて、わたしにはめまいがするほど恥ずかしかった。だから、うちの4人家族が数日かけて食べきる特大サイズのそれを、彼の部屋のテーブルにどーんと置いたときの皆の、「でけー」って言葉も決して賛辞には聞こえなくて。しかもババロアをみんなの前で開けた時、せっかくのババロアがとろーんって崩れた。うわあん。

でも皆、「○○ちゃんのお母さんが作ったお菓子」だから必死で食べてくれたんだと思う。崩れたのはもちろん、いつもなら大好きなババロアがその日は、大きいのも、二層なのすらも、もうなんだか何もかも恥ずかしかった。今なら、「おいしいでしょ」って自慢しちゃうけど、当時のわたしにはそんな余裕は一切なかった。

ちなみに彼とはその後も、交換日記したりしてほほえましい感じだったんだけど、ある日日記に「中学にあがってもずっと僕をすきでいてくれる?」って書いてあって、

知らないし、そんな事わからない
って思って交換日記を打ち切った。

クリスマスプレゼントにもらったぬいぐるみも、ともだちにあげちゃった。最低!今ならそんなかわいい「ずっと僕をすきでいてくれる?」というせりふとプレゼント、感激するのに!


ごめんね、××くん。
ごめんね、お母さん。
ごめんね、ババロア

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text / Mori Kaori

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