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LOVEスイーツ★
保田真実子
逆転の発想がすごい!?なつかしの味、ぼたもち

牡丹の花のような華やかなお餅、「ぼたもち」。
牡丹餅と書きますが、ひらがなのほうが懐かしさを感じるのは私だけでしょうか。同じものが秋になれば、萩の姿にたとえて「おはぎ」と呼ばれます。最近では、季節を問わず「おはぎ」と総称されるようになってきましたが、どちらにしても、その日本らしい情緒のあるたとえがきれいですね。


小さいころ、おばあちゃんの家に行くたびに、ぼたもちを作ってもらいました。「おもちは?」と聞く私、「用意できてるわよ」とその声を期待して。幼稚園のころは見ているだけ、小学校に上がってからは率先してお手伝いという名でキッチン(というか台所というほうがぴったり)にいりびたりました。小豆と同量か多いくらいのお砂糖、たっぷりのお水でぐつぐつと煮こんで。あま~い香りがうれしくて「まだ?まだ?」とお鍋をのぞくのがとても楽しみでした。


最後の最後に入れる塩ひとつまみは私の仕事。「たくさん入れると品が悪くなるから、ひとつまみだよ」という言葉に、それは真剣に真剣に指でつまんだものです。ハイライトはやはり仕上げ。餡(あん)とお餅の配分を考えながら、できるだけきれいに丸く仕上げるために、知恵を絞りました。手についてしまった餡をこっそりなめるおいしさは忘れられません。

そんな懐かしいぼたもち、これを和菓子という観点からみると「ぼたもちは逆転の発想が生きているお菓子」なのです。おまんじゅうに代表されるように、餡(あん)を外皮で包むのが普通の手法。食べるまで中の甘いところとは出会えません。奥ゆかしい感じもしますね。でもぼたもちは、餡で餅を包んでいるのです。本来は中にあるべき甘くおいしいものが、外にさらけ出され、直接「おいしいよ!」と食べ手にうったえてきます。隠さない美学、とでもいうのでしょうか。和菓子屋さんに並ぶ上品なお菓子と対比して、やはりこれはおばあちゃんやおかあさんのお菓子だなあと今になって思います。

ちょっと不恰好なくらいがまたいい、大きさが違ってもそれを家族で選ぶのがまた楽しい、私にとっては、そんななつかしさがつまったお菓子なのです。

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text / Mamiko Yasuda

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