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長谷川希の食にまつわるエトセトラ うなぎ

最近食べたくてしょうがなかったもの、それが鰻だ。
以前、足しげく通っていた近所の老舗所。引っ越しをしてからというもの縁遠くなってしまっていた。そこで、食べたい食べたいと念じていたら、夢にみるまでになった(笑)。


コレは大変!一大事。鰻を食べねばならぬと、半ば強迫観念に背中を押されるようにして「口コミ 鰻 地名」とパソコンに打ち込んだ。ずらっと候補が並ぶ。
今やなんと便利な世の中であろうと感心していたら、おやおやぁ?
家から徒歩圏内に、かなり評判のよい店があるではないか。
灯台下暗しとはまさにこのこと。
人気店ならば予約をばと、すぐさま電話を掛けてみた。
「長谷川と申します。二名で伺いたいのですが・・えっ?メニューを選ぶのですか?しかも今?40分もかかるのですか、そうですか、中くらいのはありますか?あっ、松ですか、ではそれを二つお願いします」と電話を切った。
注文を受けてから40分の鰻とは本格そうである。
でも、石橋は叩いて歩くべし、で、松である(笑)。



はたして初対面の鰻(松)は、どんなであろう。純米酒でちびりちびりとやっていたら、その麗しいお姿をあらわした。箱入り娘ならぬ、箱にしっかり納められた鰻。重厚そうな蓋をおもむろに開け、「わあ〜。久しぶりだねぇ」と鰻との久々の再会を喜んだ。
そのお味は、柔らかくてほのかに、そう、ほんのちょっとだけ炭火の香りがして、それはそれはやさしかった。そう、そっと味覚のヒダに寄り添う感じ。
かつて親しんだ鰻とは違う味ではあったが、これもまた文句のない逸品。
そっと添えられた漬物がまた口の中を幸せにしてくれ、食後に出された甘酸っぱいみかんにも、小さな感動があった。
これは常連になりそうな予感大である。


text / Nozomi Hasegawa
photo / Nozomi Hasegawa
design / SwingArts

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