純米酒「五人娘」、発芽玄米酒「むすひ」等で有名な酒蔵、
千葉県の寺田本家さんへ行ってきた。
蔵に入ると、しあわせな香りがぷ〜んとしてきた。
中からは、なにやら楽しそうな歌が聞こえて来る。
ちょうど酒母造りをしているところで、蒸し米に米と麹を入れて、もろみの醗酵を促す、昔ながらの「もと摺り(すり)」中だった。お米をすり潰す時に歌うのは、歌で仕事の長さを計ったり、息を合わせることにより、皆の気を合わせるためだそう。私もやらせて頂いた。掃除機をかけるような要領で手を動かし、ちょっとづつ動くのだけど、歌が一番終わる頃にはもう腕が痛くなった。すごいなあー職人さん。
加えて、この伝統的な「もと摺り(すり)」は、人工的な「乳酸」を添加して、速醸させる一般的な造りとは違って、細かい温度管理にも手間が掛かり、杜氏さんの技術が要求されるので今はほとんどやっている蔵はないのだそう。
「微生物にいい働きをしてもらうために、えさと場を用意するのが蔵人の役割なんですよ」と仰る当主の寺田啓佐(けいすけ)さんは、あくまで自然の摂理に沿った酒造りをされている。「乳酸菌はじめ蔵内に生息する菌を使って、じっくりじっくり時間をかけるので、生命力のある酵母ができ、うちのお酒は、乳酸やアミノ酸が多く、香りも複雑でコクのある味わいが特徴なんですよ」と伺い、寺田さんのお酒、飲んでみたーい、と心で叫んでいたら(笑)、絞りたてのお酒を飲ませて頂けることになった。わーいっ♪
琥珀色した搾りたての生酒は、ほんのりあまい香り。一口飲んでシビレた。しゅわっとした口当たり。ちょっと主張の強いシャンパーニュのようでもあり、とっても上質なジュースみたいで飲みやすい!試飲にも関らずお替りをしてしまった。
無農薬、無添加にこだわり、昔ながらの酒を作り続ける老舗の酒蔵さん。
コストの7割を占める原材料米に無農薬米を使うため、コストが通常の3倍にもなるといい、営業マンを置かず宣伝広告費をかけないことで帳尻を合わせているのだそう。
そういった心ある造り手さんに、いつまでも美味しいお酒を作って頂けるよう、いち消費者として応援したいなと思った。これは酒蔵さんしかり、農家さんしかり、こういう時代だからこそ、選ぶ側もポリシーをもっていたいと思う。
