食ライフスタイル HOME / 食ライフスタイル / 長谷川希の食にまつわるエトセトラ / 杉山映美子さんのいただきますの心

gray_line

長谷川希の食にまつわるエトセトラ 杉山映美子さんのいただきますの心

フードセラピストの杉山映美子さんとは、友達のお誕生日パーティで知り合った。
海、山、野花とふれあう生活を通して「いただきます。」の心をさりげなく伝えてくれる杉山さんに、会って間もない頃から私は絶大な信頼を置いている。


そんな彼女の主宰する、お台場お台所。
ちょっとギャグみたいな、いやいや、コトバの響きがとってもかわいいお料理教室は、とてもユニークだった。


というのは、お料理教室とは、大抵はメニューが決まっていて、調味料が透明なボールに準備され、素材も調理のし易いように、適当な塊に切り分けられ準備されている所なのだが、お台場お台所は違ったのだ。


大きなざるに、畑から集められたお野菜がそのまんまの格好でおいしそうに並べられ、メニューも、例えば「きんぴら」「お味噌汁」といった項目だけが知らされ、料理に使う野菜や、その味付けさえも決められてはいない。


その日の素材と、参加者の体調や気分にあわせて、参加者のみなさんと一緒にメニューを考えてつくるのだ。例えば、きんぴらにゴーヤを入れたいという生徒さんがいれば、さて、何と組み合わせたらおいしく出来るかしら、味付けはこうしたらいいですねと、杉山さんはヘルプを出してくれる。決して、きんぴらにゴーヤなんておかしいですよ、とは言わない。
ここだけの話、ゴーヤと聞いて私はなんじゃそりゃ~?と思ったけれど、きんぴらの組み合わせは、人参と牛蒡だけではないのだ。ゴーヤのきんぴらが食べてみたいという生徒さんの想いを、実現に向けてサポートしてくださる杉山さんは、先生というよりもなんだかお母さんという感じがした。


栄養のバランスもさることながら、ゴーヤはきんぴらに使ったけれど、ちょぴり残ったから、おひたしにも添えましょうねとか、素材が中途半端に残らないように、かつおいしく頂けるようにアドバイスもしてくれる。


子供たちの自主性を尊重して、カラダが欲するものを正直に食べてみましょうねという、おおきな安心感に抱かれて、子供たちは、思い思いに食べてみたい素材を選び、お料理をつくって味わった。


心静かに、今、目の前にある自然の恵みと向き合い、カラダの声に耳を澄まして、調理をして頂くという日常の営み。その杉山さんの「いただきます。」の心は、すべてに通じる気がした。


text / Nozomi Hasegawa
photo / Nozomi Hasegawa
design / SwingArts

pagetopへ